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僕ら× 1st.

第5章 伊織の婚約者 --Shu

「わぁ!その袋もヤバイ!まず、下に置こう?ああっ!」

下に置いたら置いたで、不安定なカバンは倒れ、もうさ……。
何のコントだよ。

空いている袋に詰めなおし、一息つく。
気づけば3人とも膝や服のすそが砂まみれだった。

ていうか、大荷物の氾濫で気づくのが遅れたけど……。

「すみませんっ!服が汚れてしまって!」

赤いスカートからハンカチを出し、俺らの服についた砂を落とそうとする。

「そんなのいいよ。はたけば。ほらね?」

アルはパンパンとはたくが、ラインパウダーの白がなかなかとれない。
ていうか、花野ちゃん……。

「ああっ、どうしようっ!お洗濯します!」

「……大丈夫だって。俺らの家にも洗濯機あるから。第一、ここで脱げねぇだろ?」

いや、お前。
普段は所かまわず着替えてるじゃねぇか…。

「先パイ…体操服、持ってません?サンタさんの服ならあるんですけど」

ああ、このコ、めちゃくちゃ……。
俺は声を出さず、アルの背中をバンバン叩いた。

アルはすでに頬を染めて目が釘づけ。

俺の攻撃から身体をそらしたアルは、彼女の服についた砂を払いはじめる。
お前、そんな紳士的なヤツだったんだな…。

「俺のこれは幸運の汚れだから、このままでいいの」

すげぇことを言いだしたよ……。

「?」

ほら、首かしげてるよ。

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