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三角関係ときどき四角

第11章 終わりと始まり

院長はそれだけでは飽き足らず
20年前の事件に、僕が関与していたことも
ゆすりの種に利用した。


「長谷川院長とうちの社長が顔馴染みで
営業課長の僕に白羽の矢が立ったってこと」


千夏ちゃんに言えることなど
ただの一つも無く
嘘をつく以外の術はなかった。


「そうだったんですね。勘繰っちゃって
ごめんなさい」


僕が手を下すこと無く
千夏ちゃんは離婚した。


そもそも離婚に追いやる作戦など
考える暇も策も無い間に
二人は別れてしまったが。

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