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千夏を連れ戻そうと
部屋を出ようとした瞬間……


「パパ。ママとケンカしちゃったんだって？」


浴衣姿の舞彩が部屋を訪れた。


千夏と同様にポニーテールの素っぴんだが
僕の好きな千夏とは程遠い。


千夏とは全くの別人にしか見えず
今更ながら僕によく似た娘だ。


これが正常の気持ちなんだ。


よく見ると耳の形なんて僕と酷似している。


「それでここへ来たのか？」

「ぅんッ。陵介くんがね、パパのことが
心配だから様子見てくればって」