オキナグサ
第2章 お礼
「……」
め、めんどくさい
ほんと、拾って来なきゃ良かった
俺はスマホのアラームをちょっと早めに掛けて、ちょっと季節外れだけど引っ張り出してきた厚手の毛布にくるまって目を閉じた
音
何の音
……
スマホのアラーム!
ガバッと起きて、手早く止める
「ふぁ……眠い……」
けど起きるか
他人に先に起きられて家の中漁られたりしたら堪んないし
よく寝てるな
人の布団で
朝飯……なんか食べれるものあったっけ
あ、コンビニで買ってきたサンドウィッチがあるじゃん
やったね
あとは、お湯入れるだけのカップスープみたいなのも多分あった、はず
ほらあった
これでいいだろ
あとはお湯ね、お湯
電気ケトルに水を入れて沸かしてる間に顔を洗いに行って
戻るとアサヒさんが上半身を起こしてキョロキョロしていた
「おはよう」
「お、はよう……?」
ちょっと寝癖ついてる
完璧そうな男が乱れてるのってなんかいいよね
やっぱり次は昨日逃した子じゃなくて岩橋商事の村尾さんかも
いやでも約束しちゃったからなぁ
っとまずい
今はそれどころじゃない
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