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オキナグサ

第2章 お礼


それからさっき
アサヒさんが言い合いの最中に一瞬名前呼んでたような

えっと

そうだ、思い出した


「ねぇ? 岩橋商事の高橋部長さん?」
「!!!!」


あは

その驚いた顔面白い

全然興奮しないけど


投げ捨てるみたいに手を離す


おっさんの汗ついた
汚い


「そ、そんなことしたら、こいつだって……っ」
「わざわざ俺がこっち側から近づいた理由もわかんないの? その人の顔が映らないようにするためなんだけど」


ほら、バッチリ
スーツ姿の男性に絡む醜い豚の姿が映ってますけど

ていうかこんなことにスマホのメモリ使う俺の気持ちになってよ


「くそっ……ふざけんな……!! それ、こっちに寄越せ!!!!」
「ミホさん!! 危なっ……!!!!」


殴りかかって来ようとしたおっさん
その姿に思わず叫んでしまったらしいアサヒさん


アサヒさんの必死な顔だけが癒しだよ
今の俺には


「がはっ……!?」
「おっさんの体力でまだまだ若い俺に敵うわけないでしょ? ふざけてんのはどっちかな」


殴る軌道がわかりやすすぎて、懐に入ってちょっと膝上げただけでがっつりお腹に入ったみたい

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