君はぼくの全て
第9章 特別授業 3
「…っ、んっ」
自分の手のひらで口を塞ぐ
それでも声が漏れちゃうけど、抑えないよりは絶対マシ
なのに
「え、ちょ…っ」
そんな健気な俺に構う事なく、まーくんは両手を自分のそれで掬い取って
しかも顔の横に恋人繋ぎで抑えちゃって
「ダメだよ、かず。隠さないで」
…なんて色っぽい目で囁かれるとか、何の拷問…じゃない、罰ゲーム、でもなくて
ああもう、きゅんきゅんし過ぎて訳分かんない事考えてる
「だって…、変な声、出ちゃ…」
「変じゃないよ、可愛い」
「あ…」
ちゅ、と鼻にまーくんの唇が触れる
「かわ、いい?」
「うん」
「ホント?」
「かずに嘘言った事、ない」
「えへ…」
思わず顔がにやけちゃった
男が可愛いなんて言われて嬉しいかって?
まーくんからの可愛いは最高に嬉しいに決まってる
繋がった指に、自分もちょっと力を込めて強く絡めた
「まーくん、大好き」
だからもっと
まーくんを知りたい
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