君はぼくの全て
第10章 特別授業 4
“迎えに来た“
そう言って、まーくんはまた俺から目を逸らした
でももう、落ち込まないよ
だって
ここに来てくれたもん
まぁどうせ、保健室にいることは潤くん辺りに聞いたんだろうけど
それでもやっぱり嬉しいし
それに
逸らされたその顔に “心配した“ ってありありと浮かんでるし
俺だって誰よりも一番顔を見たいのはいつだってまーくんなんだから
「まーくん、お昼、一緒に食べよ」
「うん。あ、かず…」
「行こ」
何か言い掛けたまーくんを遮って
「先生、ありがと!」
軽く先生に頭を下げると、先生も笑いながら手を軽く振ってくれた
元々ケンカした訳じゃない
好き過ぎてお互いが見えなかっただけ
「ねぇ、まーくん」
隣を歩くまーくんを見上げる
「あ…なに?」
「蹴っ飛ばしてごめんなさい」
「え、あ、いや…、うん」
ありゃ
まーくんが一瞬顔をしかめちゃった
痛いの、思い出させちゃったかな
作品トップ
目次
作者トップ
レビューを見る
ファンになる
本棚へ入れる
拍手する
友達に教える