君はぼくの全て
第10章 特別授業 4
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「あれ……」
ここ、どこだっけ
寝惚けた頭は考える力がない
白いけど、薄汚れた天井と、……寝てたのは、パイプベッド?
ー…あ、そうか
保健室だ、ここ
つか、今何時?……って、12時?!
もうすぐ昼休みじゃん!
何で起こしてくれないの、先生ってば!
俺ここに来たの、1時間目だよ?
俺の気配に気付いたっぽい先生が、シャッとカーテンを開けて顔を覗かせた
「おー、起きたか」
「先生。…ずっといたの?」
「そりゃー “保健のセンセイ“ だからね」
「起こしてくれないとか」
“職務怠慢“ なんて、ちょっと言って見たくなったけど
「…寝ながら泣いてる生徒起こすのもなぁ」
さらっとそんな事を言われるから、慌てて目を擦っちゃったじゃんか
「や、それこそ起こしてくださいよっ」
「え、だって器用だなーって」
「はい?」
「声は掛けたよ?掛けたけど、泣きながらグーグー寝るとか、お前マジ器用。…そんなに怖い夢でも見てた?」
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