硝子の指輪
第3章 劣情と苛立ち
支配されていた妹?
私が会って大丈夫なのだろうか。
「私、妹さんに殺されませんか?」
と、ちょっと笑うような言葉を言ったつもりなのに
「……離れたいんだよ、彼奴から」
彼奴って……。
妹なのにそんなこと言っていいの?
「妹は、血が繋がってない義理の兄妹なんだ。虐待とか色々あって、今は入院してる」
「…妹さん…大丈夫なんですか」
彼はぐっと、何かをこらえた。
「毎日見舞いに行っているよ、母さんとな」
「……そうですか」
なんだか、そういう話を聞くとすごく心が痛くなる。妹さんが、何かを伝えたいんじゃないかと。
「私、会いに行きたいです」
彼は少しびっくりしたような顔をした。多分行かないと言うつもりだったように感じていたのだろう。
「じゃ、今日行こうか」
「はい」
……
……
……
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