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COLOR’S~殺したのは私~

第70章 碧海VS一茶(AOMI SIDE)⑪

「忘れるわけないだろ」

それは哲也にとっても私にとっても苦い経験であり、今日までその事実をお互いに口にしたことは一度もなかった。

「哲也と悟史……どっちが先だったの?」
「え?何が?」

自分でも随分回りくどい言い回しをしていると思う。

「……私とSEXしたの……どっちが先かなって……」
「風邪引くぞ。こっちおいで」

哲也は即答せずに私にもバスタブに浸かるよう促した。

何となく気まずくて哲也に背を向け、バスタブに浸かると「俺が先だよ」と背後から包み込むように抱き締めた。

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