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僕らの歪な経験値

第7章 会する

和也 side







2人を回避するために、櫻井クラス委員に条件を出す。



その顔はひっじょーに面白くて、苦虫を噛み潰したようだった。



思わず笑いそうになっちゃった。



コイツの考えてることはわかる。



成績いい奴を担任にでも聞いたんだろう。



人当たり良くても、余裕のない今の状況でバカを相手にしたくないんだろう。



でも、よっぽど余裕がなかったのか、大野さんが手伝うことを許可した。



これは意外だったなー。











クラス委員を手伝うことになって気付いたことがある。



櫻井とやらはそこまで悪い人間じゃない。



もっと人をバカにしたいけすかない奴かと思ってた。



俺に手伝うよう頼んできた時は、かろうじてイケメンを保っていたんものの、もうすぐ屍になりそうな顔色だった。



しかし、俺らが手伝うようになって、だんだんと顔色も良くなり、人間の息吹を取り戻してきた。



そんな余裕のない時でも、懇切丁寧にわかりやすく説明してくれたんだ。



翔「わからないことがあったらその都度聞いてくれよな」



わあ、見て。



爽やか。



ほぼほぼ棺桶に片足突っ込んでるみたいな顔してめっちゃ爽やか。



室内なのに風感じちゃったよね。



室内なのに逆光感じちゃったよね。



こんな時は誰だってイライラして人に当たりたくもなるのに、櫻井くんはそれが一切ない。



イライラも伝わってこない。







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