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「椎名さん、そろそろ9時になるので仕事を
始めたいのですが」


佳祐が私を苗字で呼ぶなら

私もそうせざるを得ない。


「そうですね、始めましょうか。カナちゃん
また後でね」


佳祐がナースの頬にキスをした。


ナースは私に会釈するどころか

『邪魔しやがって』という

形相をしながら病室を後にした。