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「タクシーで帰りなさい」

「え……直也さんは？」

「俺はもう少しここに居る」


追及してはいけないような気がして

私は黙ったまま従い着替えた。


「このホテルに圧倒されて、胡桃と
同じようなリアクションをした女がいたよ。
20年以上も前の話だが」

「そりゃそうですよ。私も腰抜かす
トコでした」


この話も追及してはいけない気がして

私は部屋を後にした。