幸せの欠片 *超* 番外編
第3章 お墓参り
「ん…、何時だ…」
近くに放り出していたスマホで時間を確かめて、重い瞼を擦りながら怠い身体を起こした
変な夢を見た気がする
だけど夢でも何処か楽しかった
久々に、かずに会えた
…何だか別人みたいだったけれど
「ふふ…」
思わず笑みが溢れる
かずの話し方が凄く砕けてた
表情がくるくる変わって、新鮮だった
だけど全然嫌なんかじゃなくて、むしろ可愛いと思った
夢の中とは言え “チューして“ なんて台詞を聞けるなんて
命日で、かずが俺に会いに来てくれたのかも知れない
例え夢でもそう思えてしまう
だって現実には、もう会う事は叶わない事なんだから
「かず……」
「なぁに?」
独り言で呟いた筈の名前に返事が返り、ビクッと身体が震えた
何で1人の部屋で、俺以外の声がするわけ?
「なに、びくーってなってんの?」
恐る恐る隣を見れば、胡座を掻いたかずがこっちを見つめていた
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