幸せの欠片 *超* 番外編
第2章 真夜中の訪問者
よいしょ、とかずが俺の正面に胡座を掻いた
「改めて、…久しぶりだね、相葉さん」
今さら何が “あらためて“ なんだか、と言う気がしないでもないけど
…思わずつられて小さく頭をペコッと下げた
かずがそれを見てにっこりと笑う
落ち着いて良く良く見れば、確かにちょっとした仕草なんかはまさにかずのそれだった
無意識に軽く首を傾げるとことか
口元に指を添えるとか
笑う時に、少し眉が下がるとことか
ずっと見つめていたからこそ覚えている小さな仕草
忘れるなんて出来ないくらい鮮明に覚えている
「ちょっと、あんま見つめないで。照れちゃう」
だけど
頬を染めて軽口を叩くかずは、…知らない
「ねぇ、かず?」
「んー?」
「“素に戻る“ ってどういう事?」
これが本来のかずだと言うのなら、俺の知っているかずは何だと言うのか
「んー、俺もイマイチ分かってないんだけど、生きている時に無意識に抑えられてた人格がどうとかって…」
…なんだそれ
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