幸せの欠片 *超* 番外編
第2章 真夜中の訪問者
「信じられないって顔してるね」
悪戯っぽく笑う彼がしゃがんで、俺と視線を合わせた
「だって…1年前……」
「うん。死んだね、俺」
あっさり肯定とか
「かずは、こんな喋り方しない」
かずは、言葉を丁寧に話してた
「ああ、分かんねーけど、死んだら本来の自分になるらしいよ」
“…って言ってた“
何だそれ
目の前のかずもどきさんは気にする事もなく笑っている
「…幽霊?」
「んー…当たらずとも遠からず?…ま、ユーレイには変わらないか」
“触ってみ?“
ほれほれ、と腕を差し出されるから言われるままに触れようとして
「……ひぇっ」
見事に俺の手は、そこに見える腕をすり抜けていた
「ね?」
ね?じゃない!ね、じゃ!!
「で…でも、君がかずだなんて信じられない」
この軽い受け答え、どう考えたってかずとかけ離れている
「相葉さん」
俺の言葉に、シュンとあからさまに項垂れた彼は
「…どうしたら信じてくれる?」
そう言ってうるうるの瞳で俺を覗き込んだ
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