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1985年空は蒼かった~イノセントスカイ

第86章 酒の勢いで思わず…

波多野が恥ずかしそうにして歩き出した

その後ろを僕がアネキを背負い歩いていた

「小野っち、ホントに学校だけは卒業してね。アタシも小野っちが高校辞めるなんてイヤだから…だから頑張って卒業しよう?」

僕を見つめる波多野の顔は幾分女らしさを増していた

「あ、うん。約束したからな」

さっきまで胸を触ってムラムラしていたのに、何だか波多野の顔を直視出来ない程、恥ずかしくて目を逸らせていた

「そうだ、渋谷に行くって言ったのに中々行けないから次の休みに行かない?」

「えーっと、うん。じゃあ次は渋谷に行こう」

照れ隠しのためか、空を見上げ三日月を眺めながら僕は返事した

「にしても中々起きねえな、アネキは」

まだ背中でアネキは寝ている
段々と背負っているアネキの身体が重く感じてきた

「このまま帰って何も言われない?」

「いや、オレはいいとしてアネキはずーっと寝てるからね。そろそろ起きて歩いてもらわないと」

「祐実センパイ、そろそろ起きて下さい!」

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