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1985年空は蒼かった~イノセントスカイ

第75章 工業科のヤンキーが絡んでくるから

この手のやつらは相手にしない方がいいのだが、絡まれたら仕方ない

ヤンキーは教室から出て、僕の目の前に立った

背は僕より小さい、コイツ160あるのか?

「テメー、何ふざけた事言ってんだ?金出せだと?パシりの分際で何偉そうな事言ってんだ、おいっ!」
と凄んでもかえって可笑しくて笑いそうになった

「お前こそ、工業科の分際で普通科に気安く声かけてんじゃねえよ、偏差値30以下のクセに」

こんな事を言ったもんだから、ヤンキーは怒り、僕はそのままチビに引っ張られるような形で階段の踊り場まで連れて行かれた

(あぁ、このチビ、ケンカ強くなさそうだな)

僕もケンカは強くない
でも、コイツなら楽ショーだ、ヤンキーの腕を取り、逆に詰め襟の部分を掴んだ

格闘技の心得は中1の頃と、この学校には体育の他に柔道という科目があった
だが、同時はあくまで授業の一環としてして柔道をやってただけで、柔道なんかケンカの役にも立たないと思っていた
柔道は投げて押さえ込みして、それで終わり
そんなもん覚えてもケンカが有利になるワケでもない

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