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第30章 ほわほわ
#S
N「んもぅ!まーくんのバカ!!」
A「俺だけじゃない!!
みんなで渡すんだって!」
N「やなもんはやなんだもん!!」
A「だぁってぇ〜…、しょうがないじゃん! 」
バカップルが今度は
なにをこんな揉めてるかって、
間近に迫ったホワイトデーだ。
さかのぼること約ひと月前。
バレンタインデーにバスケ部のマネージャーから
部員全員がチョコを貰ったそうだ。
雅紀も潤もおんなじ包みに入った、
おんなじ義理チョコを
持って帰ってきたわけなんだけど
その時もキャンキャンと吠えまくったニノ。
"ハッピーバレンタイン♡いつも相談
乗ってくれてありがとう♡部活頑張ろうね!"
雅紀のチョコにだけ
メッセージカードが添えられていたからだ。
それまでもニノに言わせると、
"マネージャーは絶対まーくん狙い"
と思われる行動がいくつもあったそうだ。
N「俺以外のチョコ貰うだけでも
やだったのに・・・お返しまで渡すとか。
ありえない。ひどい。悲しい。」
きっとニノは雅紀が
いつものようにごめんね?って包み込んでくれると
信じてたんだろう。
拗ねたふりしたって何したって
結局雅紀はニノが可愛いはずだから。
でもこの日ばかりは雅紀も負けてなかった。
元々は頑固な性格だ。
自分が悪いわけじゃないのに責められていることに
苛立ちも隠さず、ニノに対して
強い口調で言い放った。
A「じゃあそうやってずっとひとりで
イジイジしてればいいだろ!」
バンッとドアを開けて
ドスドスと廊下に消えた雅紀。
突然のことに俺も、もちろんニノも呆然。
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