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第21章 かこのこ
#A
A「にーのちゃん♡たっだいま〜♡!」
N「おかえり。優勝おめでとう。」
表彰式と体のケアを終え、寮につくと、
一目散ににのちゃんの部屋へと突撃した。
A「今日は応援ありがとね♡
にのちゃんのおかげで頑張れた! 」
N「何言ってんだよ。俺の応援なんかなくても
どうせ余裕だっただろ。」
困ったように笑うにのちゃん。
どことなく元気がないように見えるのは気のせい?
A「え〜…ほんとなのに。 」
わざとらしく唇を尖らせると、
にのちゃんが正面から抱きついてきて、呟いた。
N「…嘘でも嬉しい。」
普段から甘えたさんだけど、
なんだろ。今日はやけにしおらしいな。
A「嘘じゃないってば。」
俺の胸に顔を埋めていてにのちゃんの
表情が見えない。
何も言わないにのちゃんに、違和感を覚える。
A「…ていうか!今日も健先輩に
ぎゅうぎゅうされてたでしょ。
もう、隙ありすぎ(笑) !」
俺が焦って話題を変えると、にのちゃんは
ぐりぐりと頭を擦りよせ、か細い声で呟いた。
N「…俺はいつだってまーくんのものだよ。」
いつもより少しだけ上擦った声に
泣いているのかと心配になる。
確認しようにもにのちゃんは表情を見せまいと
顔を埋めたまま、あげてくれない。
A「にの…ちゃん?」
N「…なんつって。」
随分間をおいてから、
ガバッと顔を上げたにのちゃんは
いつも通りの顔して笑ってて、
さっきまでのは全部
からかわれてただけだったのかな、なんて思う。
アイシングを終えた潤が帰ってきて、
自分の部屋に戻ることになり
この日のにのちゃんがおかしかったことなんて
すっかり俺の頭から抜け落ちていたんだ。
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