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第20章 まんてん
K「…な、それよりさ。明後日、
相葉くんの試合観に行かないの?」
N「え?」
K「相葉くん、スタメンなんだろ?
応援いかねーの?」
そう。
まーくんは一年生で唯一、
今大会のスタメンに選ばれたらしい。
夏の都大会で優勝を逃したことで、
早くに新体制になったバスケ部は
この秋季大会に向けて
相当な気合いの入れようだったらしい。
まーくんは自主練も頑張ってたし、
そんな努力を知っていたからこそ
レギュラーに選ばれたと喜ぶまーくんをみた時には
俺まで嬉しくなったほどだ。
だから、そんなまーくんの姿を
観に行きたいのは山々なんだけど…
N「あー…行きたいんだけどさぁー… 」
おーちゃんを誘ってみたけど
あいにく既に予定があるらしく、
ひとりで観に行くのもなんだかなぁ…
という気がしていた。
K「もし行く人がいないとかなら
俺と一緒に行く?」
N「え。いいの?」
K「うん。俺の彼女さ、M高のバスケ部なの。
どうせ応援いったろーと思ってたからさ。
にの都合よければ一緒に行く?」
知らなかった!コイツ彼女持ちかよ。
N「あ…なら、行きたい、かも 。」
K「ふふふ。オッケー。相葉くん、
めちゃめちゃに張り切るだろうなぁ(笑)」
そこまで話したところで
前夜祭の開始を告げるアナウンスが流れ、
パンッと大輪の花火が頭上に輝いた。
K「うわー…。」
N「……綺麗だなー…」
やっぱりまーくんと一緒にみたかったな、なんて
女々しいかな。
咲いても咲いても消えて行く花火を見ていると
なんだか切ない。
でも楽しみな予定が出来たおかげで
ちょっとだけ、ワクワクもしてる。
スマホを構え、満天の夜空に咲く花火を
その中に閉じ込めた。
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