
好きって言わない!
第31章 selfish。
M side
まだ何か言いたそうなニノを置いて教室に向かう。
逃げたと思われるのが嫌で、わざとゆっくり歩いてる自分がかっこ悪すぎで笑えてくる。
S「あれ?ニノ。」
背中から櫻井の声が聞こえた。
もう女の子とは一緒じゃないのか?
俺には気付いてなさそうだから、振り返らねぇけど。
てか今顔見たくねぇし。
N「・・・このロクデナシがぁ〜〜〜っ!!!」
S「ええーっ?!いてててててててっ!!」
M「・・・・・。」
いいぞニノ。もっとやれ。
俺には、あいつを怒る資格がないから。
恋人でもない、友達でもない、ただのオモチャな俺には。
M「あーあ・・・」
傷付くな、俺。
自分でも今言っただろ。
その他多勢のうちの1人なんだって。
俺の髪を撫でるのも。
優しい瞳を向けてくれるのも。
何度も体を求められるのも。
特別な事じゃない。
M「・・・切ねぇなぁ。」
俺ってマジでかわいそ。
もういっそしばらくあいつと顔を合わせたくない。
しょっちゅう会ってるから、特別な関係だと錯覚しそうになるんじゃねぇかな。
ペットになってやるなんて強がってたけど、結構キツイわ・・・
会うの控えよっかな。
M「あ、ダメだ。」
今日こそミーコを迎えに行かないと。
いい加減寂しいし、櫻井家にも迷惑だ。
M「はぁ・・・」
なんか、うまくいかねぇな・・・
会いたくない時に限って、会わなければいけないなんて。
M「はぁ・・・」
ヤバ。ため息2回目。
さっきのキスにこんなにショックを受けている自分が嫌だ。
ものすごく嫌だ。
M「寝よう。」
3回目のため息はなんとか堪えて、教室へは戻らず屋上へ向かう。
こんな最悪な気分の時は寝てしまうのが1番。
授業をサボるのは久しぶりだ。
誰も居ない屋上でポツンと突っ立っていると、本当に泣きそうになってきた。
いつの間のか、櫻井と相葉とニノと一緒に過ごすのが当たり前になってた。
M「・・・くそ。」
櫻井を好きになる前・・・
ほとんど学校へも来てなかったあの頃に、少し戻りたくなった。
