
好きって言わない!
第29章 unsuitable。
M side
クソ・・・
腰がいてぇ・・・
ガサガサと植え込みに顔を突っ込みながら、正直体が限界だった。
櫻井には、腰なんか痛く無いと強がったけど・・・
メチャメチャ痛い。
気を緩めたら動けなくなりそうなくらいだ。
しっかり手入れされている植木や花達を傷付けないように注意しながらの捜索は、思ってたより大変だった。
腰にくる・・・
今まで気にしていなかったけど、たくさんの種類の花が綺麗に並んでいる。
誰が世話してるんだろう。
そういえば、母さんも花が大好きだったな・・・
良く公園に咲いてる花の名前を教えてもらったけど、ほとんど忘れてしまった。
なんだっけ、紫のキレイな花。
母さんが好きだと言っていたあの花の名前・・・
S「見つからねぇなー!」
櫻井の声にハッとなる。
やば、ボケっとしてないでイルカを探さないと!!
相葉は好きな人とオソロイだと言っていた。
宝物のはずだ。
M「絶対見つけるぞ!」
時折文句を言いつつも、真面目にイルカ探しをしている櫻井。
ちょっとは責任感じてるんだろう。
だいたい、何であんなにムキになってイルカを奪おうとしたんだ?
チラリと櫻井に目を向ける。
M「・・・・・。」
俺、ホントにこいつのセフレになっちゃったんだよなぁ・・・
1度目は勢いだったと言えても、2度目も拒まなければ櫻井はきっともうそのつもりだろう。
M「はぁ・・・」
良いのかこれで・・・
惚れてる相手のセフレになるなんて。
さすがに不幸すぎるだろ。
M「・・・てかドコいったんだよイルカ〜!」
S「あー・・・もう、疲れた!
ちょっと休憩!!」
情けない声をあげた櫻井がドサっと座り込んだ。
探し始めて十数分。
見つからなかったらどうしよう・・・
M「あ。」
櫻井のすぐ横、キレイな紫色の花が咲いているのが目に入った。
あれ・・・あの花だ!
母さんが好きだと言っていた花!
思わず駆け寄ってその花をジッと見つめる。
