好きって言わない!
第19章 デート。
A side
目覚まし時計の音が部屋に鳴り響く。
いつもは布団に潜り込んでしばらく無視してしまうその音を、今日はすぐに手を伸ばして止めた。
A「デートだ・・・っ!!」
今日は待ちに待ったにのちゃんとの遊園地!!
ガバッとベッドから飛び降りて、勢い良くカーテンを開ける。
ああ、なんて気持ちの良い朝・・・
A「・・・じゃない!!」
目の前の光景がすぐには信じられなかった。
A「大雨じゃん・・・」
ザァザァと大粒の雨が降り注ぐ。
空はどんよりと暗くて、朝なのか夕方なのか分からないくらいだ。
ウソだろ・・・
天気予報では晴れのハズだった。
遊園地でまわるコースも、食べる物も全部計画を立てていたのに。
A「どうするんだよこれ・・・」
せっかく、にのちゃんも意外と乗り気だったのに・・・
この雨じゃ面倒くさがって出掛けるのを嫌がるかもしれない。
もう良いじゃん、とか言って1日ゲームしだすかも・・・
ベッドに放置していたスマホが鳴っている事に気付いて、ドキリとした。
絶対、今日は出掛けるやめようって言われるよ・・・
恐る恐る電話に出ると、にのちゃんの可愛い声が耳をふわっと擽る。
N『あ、起きてた?おはよぉ。』
寝起きなのかな、喋り方がゆっくりで激ラブリーなんだけど。
N『外見た?すっげぇ雨。台風みたい。』
やっぱその話!!
確かにスッゴイ雨だけど・・・
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