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無表情の宇野くん

第40章 田辺くん②。

田辺くんは週末に一時間みっちり走り込みをしている。それは、少しでも筋肉をつけようという最後の悪足搔きである。


田辺くんは三十分ほど走ると、息継ぎの声が、

「ぶあああああっ、ぶあああああっ」

と、大きな声になる。ブタっ鼻になり、叫びのような声が口から自然に漏れてしまうのだ。


そんなんだから、悪目立ちして、女の子からは怖がられている。


泣いて逃げる女の子に、激怒奮起する母親が、田辺くんの心を痛めつける。


最早それはプレイである。

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