幸せの欠片
第9章 あめ、くるま、…そして、あか
でも、てをつないでて
おかあさんがさむくなったらかわいそうだ
そうしたらおかあさんがかぜひいちゃうかもしれない
かぜひくと、のどはいたいしコンコンせきがでてくるしいんだよ
おかあさんにそんなおもいはしてほしくない
「おかあさん、ぼくひとりであるく!」
「どうしたの、急に」
「だっておかあさんのてがぬれちゃう。おかあさんがかぜひいちゃうから」
「そっか。優しいね、かずなり」
「えへへ」
おかあさんがてをはなしてあたまをなでた
「でも、あぶないから走っちゃだめよ?」
「うん!」
おかあさんにみずがかからないように
ちょっとはなれたみずたまりをバシャバシャとふんであるく
はねるみずにむちゅうになったぼくは
みずたまりをみつけてはわざとそのうえをはねてあそんだ
このどうろはひろくないし、あんまりくるまもこないから
しらなかったったんだ
どんなふうにこのみちがつかわれてるのか
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