無料で楽しめるちょっと大人のケータイ小説

いつも相手に合わせてたのは、自分の中では当たり前の事だった

彼女に対しても、それは変わらなくて

相手の望む事に従うのが、自分の優しさだと思ってたし



…ああ、そうか

ここに来て、やっと分かった


ー…今になって気付くなんてね

思わずクスッと笑ってしまい、相葉さんが不思議そうな顔をした


「どうしたの、笑ったりして」

「あ、うん。彼女が言った言葉の意味がやっと分かって」

何処かで引っ掛かってたんだ

それが今、すっきりした


「え、かず彼女いるの？」

「別れたけどね」

相葉さんが “ごめん“ と謝るけれど、別に謝られる事じゃない

俺は相葉さんには何一つ話してない

聞かれないのを良い事に、話そうとしなかったから


「聞いてくれる？」



俺が彼女と別れた日

…相葉さんに再会した日の事を


「聞かせてくれるなら、聞きたい」



相葉さんの返事に、俺はゆっくりと頷いてみせた