
Treasure of life
第4章 どこにでもある唄。
まだ仕事が少なかったその頃、お金が欲しくて体を売ろうとした。
今思うと、よくもまあそんなことを考えたものだ…。
ネットで検索するとすぐに出てきた、男娼という仕事。
募集の広告を見てメールを送った。
返信はすぐにあった。
『一度面接に来てみませんか?』
その会社の代表だという男性と、都内の或る駅前で待ち合わせをした。
メールにその人の風貌が記してあったのですぐにわかった。見た感じは30代くらいの普通の人だった。
連れてこられたのは、とあるマンションの一室。
中に招かれ、仕事の説明も一段落したところで男はこんなことを言い出した。
「俺のこと気持ちよくさせてくれたら、五千円あげるよ」
