Treasure of life
第13章 Perfect Night
早咲きの桜の便りが聞かれるこの美しい島に別れを告げ、飛行機が飛び立つ。
俺に凭れた智が微睡んでいる。
そんな智に俺もコツンと頭を預けた。
智が目を瞑る前に、繋いでくれた手。
俺は、離れないようにそっとブランケットで隠した。
その手にいつもパワーをもらってるよ。
大丈夫。
あなたがいれば俺は進んでいける。
今度、智の個展が開かれるのに合わせて描かれた絵を見せてもらったとき、涙が出るくらい嬉しかった。
そこに描かれていたのはメンバー、一人ひとりの名前。
俺はあなたの大切になれたのかなって。
窓から見える空は、昨日とはうって変わって抜けるように蒼い。
今が幸せすぎてこわいくらい。
我儘かもしれない
だけど
どうか……、智とずっと一緒にいられますように。
〈おしまい〉
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