Treasure of life
第12章 Find The Answer
厳しい寒さもようやく終わりが見えて、これから花粉の季節到来!という頃。
「俺も一本ぐらい線書かせてもらおうかな」
リハの合間。
チャリTシャツのデザインを描いていた智の元にお邪魔した。
「いいよ」
と言って智がペンを差し出す。
「え、いやいやいやいや(笑)」
そんなこと恐れ多くて出来ないよ(笑)!
「遠慮すんなって」
「ムリムリムリムリッ(笑)」
ほんと、すごいと思う。
イメージが舞い降りてきて、さらさらと描けちゃうんだから。
少しの間、ボーッと隣で眺めてた。
すらすらと描き進められる筆、いつになく真剣な表情……。
俺の視線に気づいた智が
「なに?」
と、ちょっとはにかんでこちらを見た。
「ううん、すげー真剣だなあって思って」
「俺はいつでも真剣だぞ?」
智が真面目な顔でいうもんだから可笑しくって。
「あれ、そうでしたっけ?(笑)」
頬杖をつきながらからかうと、横からぐんっと肩を押された。
作品トップ
目次
作者トップ
レビューを見る
ファンになる
本棚へ入れる
拍手する
友達に教える