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Treasure of life

第11章 After the rain

side O


ある日、うだるような暑さにさらされた街で、潤が好きだと言っていた歌を耳にした。


それは以前、2人で映画を見に行ったときのこと。

ある映画の予告が流れてて、その曲が挿入歌として使われていたのだ。

「俺、この曲好き」
「ん〜。なんか切なくてキレイなメロディーだね」

家に帰って、改めてその歌を聴く。

そういえば、アルバム借りたままだったな……。

流れる旋律と共に、涙がにじんで視界がぼやけた。



俺は……、性別も、異母兄弟という枠も越えて、間違えなく潤を好きだった。


いや、今でも好きだ。



潤……。


叶うなら


もう一度俺の隣で笑ってよ……。


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