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笑い、滴り、装い、眠る。

第16章 a little guy



翔side


智「お邪魔します。」



遠慮がちに、キョロキョロと見回しながら智くんが入ってきた。



「適当に座ってて?今、お茶入れてくるから?」


智「え?そ、そんなこと……」



俺は智くんの制止を無視し、キッチンへ向かう。



智「あの…僕が…」


「あーもーいいから!お客さまは座ってなさい!」


智「はい…」



しょんぼり肩を落としながら智くんはキッチンから出ていった。



「お待たせ。」


智「あの…僕、勉強しに来たんですけど…?」


「はい、減点1!」


智「えっ?」


「言ったろ?敬語はダメ、って?」



小さくあ、と言って、智くんは両手で口を覆った。



「楽しみだなあ…。」


智「……その減点、って、マイルみたいに貯まってくの?」


「そういうシステムもありかな?って。」



意味深に笑う俺を横目に、智くんは頬を膨らませ、恨めしそうに俺を見た。



智「そんなこと…聞いてない。」


「……だろうね?今、思いついたんだし?」


智「えー?ひどい!」


「ひどくないよ?マイナスマイルが貯まらないように頑張ればいいんだから?」



そうだけど?と、未だムクれた状態のまま、智くんは熱々のミルクティーを飲んだ。



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