卑怯なボクは深海魚
第5章 動き出す関係
――――…
雨なら――――…良かったのに
ボクは一睡も出来なかった夜に…疲れを感じながら…
部屋のカーテンを開けてそう…思った
眩しい太陽
真っ青な空
見事な試合日和
――――――――…はぁ…
ため息が…目覚ましが鳴る前の部屋に沈んだ
ボクは――――…どうしたらいいんだろう
“試合――――観に来い”
先輩の声は
昨日から――――…ボクを悩ませ…動揺させる
ふと、部屋のすみのゴミ箱に目が行く
そこには…
逆さまに作ったはいいが…窓に吊るさなかった
てるてる坊主が…捨てられている
雨なら…行かなくて済む――――でも
“来い!”って…言われた――――…
晴れたら…試合はある
観に――――…行ける――――…
結局――――…てるてる坊主は吊るせなかった
――――…本当に…ボクはどうしたいんだろう
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