卑怯なボクは深海魚
第5章 動き出す関係
午後の授業は――――…
どうしても集中出来なかった
何故…屋上に一人でいたのか…
何故…ボクの名を知っていたのか…
何故…こっちに向かって来たのか…
何故…試合に誘ったのか…
考えれば考えるとほど…訳が解らなくて…胃が痛くなる――――――――…
でも――――…先輩の…声が
何度もボクの体を駆け巡り――――…甘く締め上げる
男に抱かれたい性癖ッてだけでもヤバイのに…
先輩の声と…乱暴な言いぐさに…
なぶられている過剰妄想まで………
目があっただけで――――…この有り様…
思春期とは言え…
頭をかち割たくなるほど痛い妄想だと――――…反省していた
だが――――…ハッキリと聞こえた
“明日の試合――――観に来い!”
って…
ボクには…聞こえた
「――――どうしたら…いいんだよ」
ボクは、授業の終わりのチャイムと同時に机に崩れた
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