
ねぇもう嫌・・・
第20章 入院
「入院中は、検査とかたくさんあると思うし、色んな先生が来ると思うんだ…それでも大丈夫?」
「…」
頷くしかなかった。
「うんっ、よかった。荷物はお母さんが持ってきてくれてるらしいから、ひなちゃんはもうお部屋に行こっか。」
「っ」
入院てこんなに突然なの…っ?
ゆっくり目に歩く佐藤先生に合わせて、小股で歩いた。
気づくとアノ事を思い出していた。
思い出せば出す程、顔が火照る。
絶対顔赤い…っ
目の前で揺れる白衣。
腕には光沢のある腕時計がはめられている。
そして時々、緑色の服を纏った人が通りぎる。
車椅子に乗った人や、お腹に赤ちゃんを宿した妊婦。
また、酸素ボンベを持ち歩いている人や、包帯を巻いた人。
色んな人がいて、色んな病気を持ってる。
私の病気って
脱がなきゃ分からないし
見なきゃ分からないし
触らなきゃ、分からない…
病院って、こんなに破廉恥な所だったっけ。
バッ
「っ!」
突然何かにぶつかって我に返った。
どうやら、佐藤先生が突然立ち止まったらしく、
それに気づかなかった私は、思い切り佐藤先生の背中にぶつかってしまったみたい…。
佐藤先生が私の方に振り向くと、
「あっ、あと、入院中の主治医は柊先生だからね。」
って言った…。
