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ねぇもう嫌・・・

第3章 病気発覚




仰向けに寝かされ、始めは胸に膝をつけていたものの、足を支える力の余裕さえなくなって、ただ横たわって耐えるばかりだった。


それでも抜かりない診察が続く。


「…っ…っ…」


我慢したいのに、緊張感と恥ずかしさで短い声が口を衝く。


声を潜めようと息を止める程、苦しくて。


どうしようもできなくて、先生の手の動きに反応する自分自身が悔しくてたまらなかった。


先生の手がそっと触れる度に漏れる、荒い息遣い。


最後に、湿ったガーゼで消毒らしいことをされて事は終了した。


先生は、私の隣に衣服の入った籠を置いて、私から離れてカーテンを閉めた。


カーテンで仕切られた空間で一人になって、ようやく体を起こす。



熱く、熱く火照った身体は、この心臓一つで支えられるはずがなかった。


頬に残った涙を振り切り、素早く着替えて逃げるように待合席に戻った。


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