
今日も明日も 2nd season
第44章 どんな君でも
手を繋いで、外を歩くなんか初めてかも知れない
ライブや番組ではあったけど、あれはあくまで演出の一部だし
それを人目を気にする事なく堂々と歩ける日が来るとは思いもしなかった
まあ、もしかしたら “隠し子“ だとか言われるかも知れないけど、そんなのはいくら叩いても埃1つ出ないんだから気にする必要もない
雅紀の歩幅に合わせていつもよりゆっくり歩く慣れた道
それさえも新鮮に感じてしまう
小さな手で、俺のそれをぎゅっと掴む雅紀も、やたら嬉しそうだ
「雅紀、何欲しい?唐揚げ?焼き肉?」
大人の相葉さんは唐揚げ弁当がお気に入りだ
「アイス!」
「へ?」
元気良く答えた雅紀から出た単語に思わず聞き返す
「アイス食べたい!」
「だーめ。ご飯をちゃんと食べなさい」
注意された雅紀がしょぼんと下を向く
「…ちゃんと食べれたら、アイスも食べていいから」
弁当の他に、雅紀所望のアイスもしっかり買うつもりの俺は
もしかしたらしっかりと “親バカ“ の類いに属するのかも知れない
