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今日も明日も 2nd season

第4章 見えない鎖 Ⅹ



約束の21時が迫った時、再び先輩からメールが入った


『一応、周りを確認してから迎えに行く』

俺らが下に降りた方が良いんじゃないかと思って、そうすぐに返したら

『もう1人、助っ人がいるから待ってろ』
と戻ってきて

それならば、と先輩に従って
玄関に荷物を置いて、次の連絡を待った


そして

『今から行く』とメールが来てものの数秒でチャイムが鳴った


ちょっと考えたら、そのタイミングはおかしいと気付けたはずだった

なのに、すっかり気を許していた俺はそれに気付く事が出来ずに
ドアスコープも確認しないでドアを開けてしまった


「え……」

ドアの向こうの姿に、全身が凍りつく



「…こんばんは」

ニヤリ、と口角だけを引き上げたその顔は

先輩、ではなくて


「かずなり、いるよね」


まさに昨日、下で見かけた顔
玄関越しで聞いた声


……かずくんのお兄さん、だった



先輩から

『奴がいた。暫く待機する』

そんなメールが入ってたのに、俺はそれに気付けなかったんだ


to be continue…

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