無料で楽しめるちょっと大人のケータイ小説

少し間を開けて

「ツラかったら降りるよ…？」

またコソッと囁くから、ビクッと体が震える

その後も

ちょっとしては「ごめんね」とか「大丈夫？」とか

気遣うフリしてわざと単語で話し掛けてくるから


ー…やっぱわざとやってるな

そう、確信した


だってさ

にのの声、笑いを含んでるの丸分かり


だから

「にの…マジで降ろすよ？」

本気の低い声で、にのに牽制した

普段決して出す事のない感情を抑えた声は、にのを黙らせるには充分な効果がある

俺の本気がちゃんと伝わるようだ


にのが少し慌てたように「ごめん」って謝るけど

はっきり言ってこの謝罪に気持ちなんか入ってないのは分かってるんだ

だから

それよりもこれ以上悪戯させない為に、一度大きなため息をこれ見よがしに吐いて

にのを背中から一度降ろした


そしたら

本気でにのが慌て出して

あっという間に目が潤み出して

今にも涙腺決壊しそうなくらいに顔を歪めちゃうんだもん

その顔に思わずドキッっとしてしまった



…何だか本当に可愛いんですけど