無料で楽しめるちょっと大人のケータイ小説

まだかまだかと、落ち着かな気に体を揺らす

煙草に火を付けては2～3口で消す、と言う行為を繰り返した

みるみるうちに溜まる灰皿に

" 勿体無い事したな" なんて思うくせに、気が付くと同じ事をまたやっている


水でも飲んで落ち着くか、と椅子を立った時

ピンポーン、と言う待ち望んだチャイムが部屋に響いた



「ごめん、こんな時間なのに」

靴を脱ぎながら、謝る智くんにはやっぱりいつもの覇気がない

「気にすんなよ、汚いけどどうぞ」

努めて冷静に、智くんを迎え入れると


「本当に汚い…」

乱雑した部屋を見た瞬間、智くんは苦笑した

「うっせ、ほっとけ」

「しょうがないなぁ…」

俺より先に中に入った智くんは、当然のようにキッチンに入り、ゴミ袋を取り出している


「何してんの」

呆気に取られてる俺をチラ、と見ると


「…片付けなよ」

そう言って、前のようにいそいそと片付けを始めてしまった


その姿は、何も変わっていない

“何でここまで汚くできんだよ"なんてブツブツ言うところも、何一つ変わってなかった