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今日も明日も 2nd season

第26章 青色クレヨン *青×黄*



涙目のまま、うっすらと目を開けると

まさに俺の吐き出したソレを飲み込む大野さんとばっちり目が合ってしまった


「…飲んじゃったの?」

「え、うん」

…当たり前の顔で頷いてるし


「何なんだよ…っ」

「後処理、楽でしょ」

何故ドヤ顔になる


「も…やだ…っ」

俺は完全に脱力して、冷たいコンクリートに身を投げ出した


「もう、しないって」

優しく囁いて、大野さんが俺の背中を抱き起こした


「バカじゃないの…?」

「そうだよ?」

大野さんの胸に抱かれる形になって、どことなくおかしな気持ちになる


なのに


「にのに対しては、バカになっちゃう」

散々やらしい事しておいて
ちょっと照れたように笑うの、狡いよ


そしたら俺、何も言えなくなっちゃうじゃん



「俺にだけ…?」

「そう」

「…なら、いい」

「え?」

怠い腕を持ち上げて、それを大野さんの首に巻き付けた



「ずっと、俺だけを見ててよ?」

恥ずかしいから、顔は大野さんの肩に埋めたまま
小さな声で呟いた

どうせ、聞こえてるでしょ?

変なとこで、やたら地獄耳なんだから

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