
今日も明日も 2nd season
第25章 好きだよ、バーカ
「はぁ?!」
目の前でふんぞり返って足を組むその人を睨み付けた
「だってお前以外に誰が行くっつーんだよ」
「そりゃそうだけど……」
せっかく今日は早く終わって、しかも明日はオフと来れば
まだ攻略してないゲームをやりつくそうと思うのは当然だろう
帰りに引きこもり準備の食料を買い込もうとか色々考えていたのに
「お前なぁ、仮にも恋人なら癒してやろうとか思わない?」
ぶつぶつ聞こえないように文句を垂れる俺に、呆れたような溜め息が零れる
「仮、じゃなくて本物だし」
「いや、そこじゃなくて」
「分かってるよ」
知ってるよ、そんなの
今、相葉さんが凹んでるっつーか、堕ちてるのは充分分かってる
ぼちぼち発破掛けるかなぁ、とも考えてはいたけど
…今日の優先順位にたまたまゲームが来ただけの事だ
「にの」
「ああもう!分かったよっ!行くよ、行きますよ」
頷かない限り、目の前のこの人が俺を解放してくれないのもまた、嫌って程分かってる
「心もカラダも癒してやってこい」
ニヤリ、と黒い笑みを浮かべて組んでいた足を解いた
「ホント、性格悪いよね。………翔さん」
