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反転する視界

目の前には見慣れない格好の見慣れた顔

いやいやいや、待て、落ち着け

100歩譲ってこいつが “先生“ だとしたら



「…生徒押し倒すって、色々ヤバいんじゃないの？」

常識的に考えてさ、普通じゃない


「別に？…何を今さら」

その余裕そうに笑う顔がムカつく

「今さらって…」

こいつの言葉が怖い

なんだ、“今さら“ ってのは！
それまでもヤッてたって事なわけ？

“現実“？ の相葉さんとはそう言う関係ではあるけどね？

でもこれは何か違うと思うのは俺がおかしいのか？

無言で真上にある相葉さんを見つめる

「…諦めた？」
「え、」

何が、と言おうとしてそれは叶わなかった

相葉さんの唇が俺のそれを覆ってしまったから


何度もしている筈のキスなのに、何処か他人のそれに感じてしまうのはどうしてなんだろう


「…っ、んぅ…っ！」

逃げられないように頭をがっちりと抑え付けられ、相葉さんのキスを拒む事が出来ない

わざと送り込まれる唾液

“飲め“ と訴える視線に、嫌だと言う返事はあり得なかった