
今日も明日も 2nd season
第17章 君が笑うなら
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智より先に
と、言うか眠れないままの俺は
アラームを鳴らす前に布団から抜け出した
濃い目のコーヒーを入れて、今になって眠くなってきた頭を無理矢理に叩き起こす
さすがに終盤に入ってのこれは堪えるけれど
思いがけない智の可愛い行動は、多少なりとも俺の活力源になったのは確実で
何だかんだ言っても、智さえいればどうとでもなると思える俺は
ある意味とても幸せなのかもしれない
「おはよー…」
ぽてぽてと、気怠そうに寝室から智が出てきた
ゴシゴシと目を擦る姿は思い切り眠そうで
だけどそれがまた可愛く見えて思わず頬が弛む
「…翔ちゃん、もしかして寝てない?」
俺の目の前に来た智が、いきなりグイッと両手で顔を挟んだ
「いて、痛いって」
半分寝ぼけてる智に力加減なんて言葉はない
「目、真っ赤だぞ」
そう言って顔を覗き込む智は、またも心配そうな表情をしてる
「寝なかったのかよ」
責めるように言うけどさ、君のせいなんだけど
…とは言わない
