
今日も明日も 2nd season
第3章 Non.Title
部屋に入った途端、突き飛ばされるようにベッドに押し倒された
分厚いスプリングのおかげで痛みはないけれど、油断している時に掛かる全身への衝撃は、一瞬何が起きたのか分からなくしてしまうらしい
ハッとした時には、両手をシーツに縫い止めて俺を見下ろす相葉さんの姿が目の前にあって
“待って“ と言おうとした唇は、あっという間に相葉さんのそれに塞がれていた
「んっ…、んん、んー…っ」
当たり前の呼吸が突然奪われると、呼吸の仕方を忘れてしまうんだろうか
前以てキスすると分かってると、鼻で息をするのは普通と言うか、自然とそうするようになっているのに
息苦しさに、知らず眉間に皺が寄る
それに気付いた相葉さんは、少しだけ唇を離すとクスリと笑った
「どしたの」
「くるし…っ」
「いつも鼻でしてるのに?」
揶揄うように言われ、ムッとした俺は唇に歯を立てて噛み付いた
「いって…!」
「自業自得」
いきなり押し倒すお前が悪い
それに、思い切り噛んだ訳じゃないんだから大して痛くなんてないはず
「噛み付くとか、犬じゃないんだから」
その言葉にイラッとした俺は、再び相葉さんの唇に噛み付こうと顔を寄せた
