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今日も明日も 2nd season

第15章 Candy Time 2


「どしたの?」

クスクス笑ったまま、相葉さんが俺を見つめる


「相葉さんだな、って」
「なにそれ」

笑みを深くする相葉さんの皺が寄った目尻に指を這わす

「昔はこんな笑い皺なかったのにね」
「あるの、嫌?」

俺の指をそっと剥がし、そのまま唇に寄せると

「あ…」
「ねぇ、どうなの?」

指先だけを口に含み、舌でそこをぺろりと舐めた


「や、じゃない」
「そう?」

舌の感触にぞくぞくして、声が上擦ってしまう

ただ、指を舐めてるだけなのに
“そんな気、失せた“ って思ったのに

ほんの僅かな時間であっという間に引き戻す相葉さんは狡い

車の中で感じた欲が、一気に戻って来てしまう


「離して…、それ」
「ん?」

「ゆび、…離してって」


何も答えずに俺を見る上目遣いにドキッとした


もう、逃げられない
相葉さんに捉えられる


欲しい
この人が、欲しい



「相葉さん……」

無理矢理に握られた手を払い、両手を相葉さんの首に巻き付けた

ベッドの上、スプリングの効いた不安定なそれがギシリと音を立てる


その音が、きっかけになった





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