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『アイル・・・ほんとに

・・・・・・

ほんとに・・・わからないのか』



悲しみを隠しきれずに

ため息まじりに問うリョウキ




『だから…なにを・・・あなた

何を言ってるんですか・・・さっきから』





ボクは…悪いけど、そろそろ

止めに入ろうかと身構える



受け入れ難い現実



受け入れられない

認めたくないリョウキの気持ちは


もちろんわかるけど



アイルちゃんを下手に

あまり刺激するのはまずい






『・・・アイル・・・はやく

一緒に・・・帰ろうぜ・・・。・・・な？』





『・・・？？？』





『早く・・・思い出さないと、アイル

お前…ずっとこんなとこに閉じ込められて

家に帰れないかもしれないぞ・・・？』






『・・・～～？！』







『・・・ちゃんと、思い出せよアイル』




『・・・』






今のアイルちゃんにとっては

目の前にいる男…リョウキの姿は

訳のわからないことを言っている

不審な男・・・にしか映らないはずだ






『・・・っ・・・アイル』





『・・・っ』



ベッドに片膝をかけるリョウキに

身の危険を察知した、と言うように

アイルちゃんがナースコールに

手を伸ばす





『・・・っ』



ﾊﾟｼｯ……




『ぁ・・・っ・・・』





ｶﾗﾝ…





リョウキが瞬時にそれを払いのけると



そのまま彼女の手を押さえて

覆いかぶさる





『やっ・・・な、に…するんですか…っ』




『アイル・・・しっかりしろよ』




『はな･･･して・・・やだっ…！』




『・・・しっかりしろよ

ちゃんと・・・思い出してくれよ』





『・・・！？･･･ぃ…ゃ…・・・んんっ』





リョウキは覆いかぶさったまま

ほとんど無抵抗なアイルちゃんに

強引に唇を押し付けてた




・・・まったく、あれほど言ったのにね