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「・・・先生……？！」


その異変にもちろん気付いた看護師が

足早に近くに来てボクに耳打ちする




『・・・』



なん・・・だって・・・？




足を戻そうとするボク

その前に…リョウキは





『・・・アイル？』



『・・・』





『…ﾊﾊ・・・なに、言ってんだよお前

あ…新しい芸か？…ﾊﾊﾊ・・・

まだ・・・寝ぼけてんのか？…

まぁこれだけ寝てればな・・・ﾊﾊ』





『・・・～』





『天然かますのも…ほどほどにしねぇとな

オレだってなぁアイル・・・心臓に

毛が生えてるワケじゃねんだからな…ﾊﾊﾊ』








『・・・お兄さん・・・誰？』





『・・・っ・・・』




リョウキは目を見開いて青ざめていた






『アイル…？？・・・おめぇ…何を』



『アイル？…なに言ってるの？？

りょ・・・リョウキでしょ・・・っ？』



青ざめたリョウキに割って入るように

二人がアイルちゃんに問いかける





『・・・』





天然ボケでも…寝ボケてもないことは

多分全員がわかっていた





『ちょっと・・・すみません』




ボクは三人ともを押し退けて

アイルちゃんの顔を押さえて

じっと両目を見る




・・・目の動きに

それと言ってなんの異常もない。





『アイルちゃん…？』




『・・・？』







『・・・あの人は・・・誰？』




ボクは端から順番に

部屋にいる人たちのことを尋ねてみる





『・・・。・・・ソウタさん』






『・・・じゃあ、あの人は誰？』






『・・・・・・。・・・マナさん』






『うん。そっか・・・それじゃあ

・・・・・・∥この人∥は・・・？』










『・・・・・・。

・・・知らな・・・、…

わかりま・・・・・・せん』





ボクが最後に差したリョウキを

アイルちゃんは…混乱したか怯えたかした

そんな表情を見せながら

『わからない』と否定した。








・・・なんて・・・ことだろうな・・・。