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Best name ~ ひまわりとの約束 ~

第10章 新たな未来へ・・・

わかってはいたけど



感染症のリスクや

カンナの状態…それらを

医者からもたっぷり聞かされていたオレは




内心はピリピリしていたのも事実だから





楽しそうにするカンナを

なるべく自由にさせておいてやりたいけど





『カンナ・・・あまりはしゃぐなよ』





冷静な心も…必要だった。






気づけば息があがってるカンナ



体力もうんと低下してるんだから

当然と言えば当然

わかってることだけど

冷や冷やしてしまう





『そろそろ・・・帰ろうカンナ』





『・・・』





『生花とか…土なんか・・・

触ったらダメだって言われてるしさ』







『・・・ぅん』




ちょっと…かなり

寂しそうにするカンナ




『もう…ちょっとだけ・・・』





『・・・~わかった。

その代わり∥こっち∥な?』




オレはしゃがんで

自分の背中をカンナに向ける







『け…ケイゴが疲れちゃうよ

ごめん・・・帰るよ』






『それくらいなんてことない…♪ほら』







『・・・いいってば』








『クス・・・せっかく来たんだから

嫌になるまで見て行こうぜ』









『・・・ぅ…ん。ありがと…ケイゴ』





カンナはすまなそうに

恥ずかしそうに頬を赤く染めて

オレの背中に乗った






カンナ・・・軽い


以前にも増して・・・軽くなっていた






ちょっと…涙が出そうになったのは

もちろんカンナには内緒。






『1… … 2…』






『クス・・・だからなんだよそれ?(笑)』




涙をごまかして

花を数えるカンナにツッコミを入れる






『花言葉・・・♪』






『さっき聞いたって(笑)』






『ちがうよぉ・・・あげる…

その人に…送る本数によっても

色々あるんだよぉ・・・♪』








『へぇ~・・・そうなんだ?』





・・・ちょっと白々しい?(笑)



オレは珍しく興味でも持ったように

少し大げさに、カンナの言葉に

耳を傾けた





だってカンナ

すげー楽しそうだからさ(笑)

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