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Best name ~ ひまわりとの約束 ~

第8章 大丈夫だよ・・・。

だけど……オレにとって



・・・いや



誰にとっても、か…





得体の知れない


この目で…実体を見ることも出来ない




その・・・にくたらしい

病気ってヤツは・・・




やっとおとなしくなったかと思うと



また牙を剥き出して

カンナを苦しめたんだ。









『~~~っ・・・~…』





『カンナ……苦しいね……カンナ…』





朦朧として苦しむカンナを

必死に看病するカンナのお母さん…







心に・・・誓っても


強く・・・思っても




病状が良くないカンナを前に

胸が締め付けられないはずがなかった





涙を必死に堪える日も

たくさんあった。






痛みや…猛烈な吐き気に襲われて

のたうち回るように苦しむカンナ…



隣で必死に背中をさする

お母さんの声は

聞こえているのだろうか・・・






『~~ケイゴくん…

いつも、ありがとね…っ

ごめんなさい・・・~今日は、もう…』





カンナの状況を前に

見舞いに来たオレに

さりげに退室を促すカンナのお母さん







『うっ……ぇっ・・・~』



『カンナ…っ・・・大丈夫

大丈夫だからね…カンナ』





『・・・おばさん

ちょっとだけ・・・すんません』





『???』





オレは、おばさんに代わって

カンナの隣に入って


手を握り、背中をさすった・・・

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